夕方小人たちが山から帰ってくると白雪姫が倒れていた。で、あわてて探ってみたら、胸が紐でしめられていた。その紐を切ってやったら、ぱーっと生き返ったっていうんです。おかしいんじゃない。何時間もたっているんだよ、それで小人たちは、「その行商人はお前の悪い継母に違いないから、もう買ちゃいけない」って言うんですね。言っときながら七人翌日また出かけちゃうんですね。三人ぐらい残ってくれるといいのに(笑)。残っちゃダメなんです。みんな行っちゃって白雪姫一人になったでしょ。これが大事、孤立性ひとり。そこへ女王も一人で来ます。1対1さっき言ったよね。1対1。
で、二度目には、女王は毒の櫛を作って売りつけに来た。きれいな櫛。白雪姫に見せると、買っちゃいけないって言われていたのに、つい買っちゃうんだよね。昔から衝動買いってあったみたいだね(笑)。 
それで買うと、女王は「じゃあ、あんたの髪をすいてやるよ」って言って、髪に櫛当てて髪をすいてやるんです。髪の毛に櫛をさすんです。するとばったと倒れる。毒が効いた。小人たち夕方戻ってくるとまた白雪姫がまた倒れていた。よく見たら櫛がささっていた。その櫛をぬいてやったら、ぱあっと生き返ったっていうんです。おかしいんじゃない、毒が効いてなかったっていう話だね。
そして小人たちまた言うんですね、「もう買っちゃいけない」厳しく言うんですが、なのに翌日七人みんな出かけちゃうんですね、あいつら反省と言うことを知らない(笑)。
でまた一人になりました。そこへ女王が一人で来ます。
で“毒のリンゴ”。これ知ってるでしょ、半分だけ赤くてそこにだけ毒が入っている。白雪姫その赤い方を食べちゃった。そしたらばったり倒れちゃった。とこういう話。
で、女王は帰っちゃいました。小人たち戻ってきてみたら、白雪姫がまた倒れてる。体中探ってみたけど何も見つかりません。白雪姫はとうとう生き返りませんでした。
だけどその死に顔がまるで生きているように美しいので、白雪姫を黒い土の中に埋める気にはならず、ガラスの棺を作らせてその中に寝かせました。そして棺を山の上に安置して、七人が交代で見張りをして泣いていました。幾日もたちました。
ある日のこと、王子が通りかかってその美しい死に顔を見て愛を感じて、小人たちから白雪姫の遺体をもらい受けます。そして召使いがそのガラスの棺を担いで山を下っていく時、木の切り株に足を引っかけて、がたんと揺れました。揺れたとたんに、喉のリンゴがポロンとはずれました。
そうしたら生き返ったって言うんです。それで宮殿に帰って結婚した。というんです。
これが、オリジナル。 
どうぞ読んでみてください。
ディズニーは理解できなかったんだね。ディズニーは喉からリンゴが外れて、というのはあまりにもばからしいと思ったんだね。それで作り替えた訳よ、王子のキスによってって。ロマンティックにしたつもりかもしれないけど、それ陳腐じゃない?誰だって思いつくよ、こんなの。
喉からリンゴがはずれてって言った方がはるかに昔話っぽい。しかも実際に200年たった今、僕たちは同じ原理で昔話語られていることを見つけてるんですね。
ちょっとその話をします。
今の白雪姫さ、そもそも一回目何で殺されて、何で生き返ったのかって考えてください。
紐が胸の周りへ縛ってあったんでしょ。紐を切ったら生き返ったってことは、窒息はしてなかったってことだよね。そうじゃない?窒息してれば、死にっぱなしだよ。だけど紐切ったら生き返ったってことは窒息じゃなかったってこと。
じゃあどうして死んだんだってこと。こういうことなんです。
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